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Author:さー
愛知生まれの東京育ち。
旅と野球とお酒を愛する39歳。女。
フットワークの軽いインドア派。

2012年1月15日、世界放浪の旅に出発。
2014年12月23日、帰国。

行きたいところに行ったら最終的に世界一周になりました。

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今の私と2年前の私と4年…

こんばんは。
1ヶ月以上更新のないブログに出てくる広告の季節がやって参りました。

恐ろしい。
月日が経つのが早すぎて恐ろしい。

さすが師走だわ。と言い訳したいところですがお坊さん走り始めたばかり。
では神無月に何をしていたか言い訳しますと

スターウォーズ4を見た→スターウォーズ5を見た→スターウォーズ1を見た→チュニジアに行った→スターウォーズ2を見た→スターウォーズ3を見た→スターウォーズ6を見た→スターウォーズ7を見た

以上です。

スターウォーズに埋もれて気付かなかったかもしれませんがチュニジアに行っていました。

ほら。

IMG_2364_20161129222820cee.jpg 

スターウォーズはチュニジアで撮影されたんですね。
この後ダースベイダーのお面かぶって、ライトセーバー握って、落合の神主打法の物まねをして遊びましたとても楽しかったですひとりぼっちなのを除けば。

これが私の近況です。
(チュニジアの紹介おわり)


それからもうひとつご紹介したいのが2年前の私です。
そうあれは、西アフリカを旅して、約5カ月ぶりにヨーロッパに戻った時のことです。コートジボワールのアビジャンからパリ経由でポーランドのクラクフに飛んだんです。
すっかり西アフリカの空気に慣れてしまっていた私はクラクフが夢の国のように見えて、何見ても「わーすごい!」「わーすごい!」と驚き、ふわっふわしていました。それはもうふわっふわ。

ただ、クラクフに来た本来の目的はふわっふわするためにではなく、アウシュヴィッツの見学に行くためでした。そしてクラクフに来て4日目、やっと気持ちが落ち着きアウシュヴィッツに行きました。
ゲートを入るとそこには想像していたものよりずっとずっと綺麗な建物が整然と並んでいました。
死のにおいがしない場所でした。
綺麗で整然としている理由、それが“作った人の罪悪感をなくすため”そして“周りの国に収容所ではないことをアピールするための見せかけ”だったと知り、まさに私は騙されるバカだなと思いました。
もしアウシュヴィッツが収容所だったことを知らなかったら私は「綺麗な建物だな」で終わっていたわけで、ドイツの思うツボなわけです。
過去や失敗から学ぶのならば、現代でも側面だけ見ていて本当のことが見えていないことがたくさんあるはずで、与えられた情報だけで判断し知ったような気分になるのではなく、そこから考える力を持たないといけないのかもしれません。

と、唐突に2年前のことを語りだしたのは、この日の出来事をブログに書いてくれた方がいたからです。2年の時を経て。

初海外を女ひとり旅してみたらのみさPちゃんです。

偶然ね、同じ日にアウシュヴィッツの日本語ツアーに参加していたんです。
私の10行感想文とは雲泥の差の、彼女の内容の濃い記事を読んでほしいです。

ツアー中ね、びっしりメモ取っているんですよみさちゃん。
努力を見せない努力家。
繊細なのに大胆。協調性のある一人好き。ただのビール好き…。

側面以外の部分が知れてとても嬉しかったです。

私と出会ったことに特化した記事も書いてくれているので興味のある方はコチラもどうぞ。微笑んで皆を見守っている私が非常に気持ち悪いですが、ただの人見知りです…。

私の教えを忠実に守り、2年遅れでブログを更新中のみさちゃんですが、私も先輩としての意地があるのでここからアラスカ編、前回の続きに戻ります。
ではどうぞ。


※これは2012年8月の出来事です。(あぁ4年前…)

前回、ケチカンを出港しシトカに向かっている途中でむせび泣いた話を書きましたが、今一度、地図でアラスカの旅を振り返ってみます。

FullSizeRender (7)

下の☆印がケチカン。ガーネットを買ったランゲル、こいのぼりを見かけたピータズバーグを通り、イルカと夕日を見て、上の☆印のシトカ向かっています。

これを広い視点で見てみるとこうなります。

FullSizeRender (6)

結構進みました。アメリカの西海岸縦断できるくらいの距離は北上しています、静かに。
そして何度も書き過ぎて真剣に聞いてくれる人が少なくなっているのは感じていますが、何度だって書きます。ものすごく寒いんだと。
2016年の現在、日本にも冬が到来し東京では雪も降りました。そして私は思うのです。

「あぁ、あの時のアラスカと同じくらいの気温だな」って。

今の体感をそのまま、8月のアラスカに置き換えて読んでいただければ幸いです。

今の東京で、メッシュのテントと夏の寝袋で寝たら寒いでしょう。
それをやっています。
そんなお話しの続きです。

船上のデッキチェアで2晩過ごし到着したシトカ。
P8132841.jpg 
朝もやで見えない。

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奥に見えているのが船のターミナルです。
手前に見えているのがツアーバスです。
そしてここに見えていない公営バスに乗って町中に向かいます。

船で知り合った大介君、そしてアメリカ人のおばちゃんも一緒です。
このおばちゃん、一番アメリカを知っているはずなのに、私たちが乗るバスを教え、行先を教え、お金の払い方を教え、地の利という言葉が一切通用しない人でした。そんなおばちゃんとこの後、別の町で3回も会ったのは何かの運命です。

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3人とも予約していインターナショナルホステル。
そうです、ついに、ついに私はベッドと屋根を手に入れたのです。
※2016年現在、MIXドミで24ドル、男女別ドミで29ドルです。

ただ、宿のオーナーが日中は別の仕事をしているため10時~17時は必ず外に出なければいけないというルールがあったためあったかいベッドで寝ることは許されず強制観光に出発です。

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アラスカに来てからずっと外にいるような気がしてなりません。

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一緒だね。

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シトカの町並み。ケチカンと比べて地味度が加速しましたが、ロシア時代は州都だった町です。
目の前に見えているのはロシア正教会。今から約200年前、先住民のトリンギット族の町だったシトカにロシア人が入植し、その際に建てられたものです。(その後火事で焼失、建て直された)
ちなみにロシアは1868年にアラスカを格安でアメリカに売り、買ったアメリカは「巨大な冷蔵庫を買った」とか「ホッキョクグマ庭園」とバカされたのですが、その後アラスカで石油が見つかりうひゃひゃひゃして今日があります。

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教会の中。懐かしいイコン画。

こちらもロシア時代の建物。
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ロシア司教ハウス。
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色々飾られていたのにこのサモワール(湯沸かし器)の写真しか撮っていないのは、私がロシアでサモワールが欲しくて欲しくてたまらなかったのに買えなかった心残りと言えましょう。
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愛しのサモワール。

ロシアだけではなく日本もありました。
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テリヤキハウス。

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スシ・テリヤキ・エスプレッソハウス。そこはSAKEであってほしかった。。

ここにも日本が。
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『1909年、宮城県のラッコ獲り船“開盛丸”が飲料水の補充のためシトカの近くの港に停泊したところ違法な捕獲の疑いで乗組員30名が捕まり留置された。約9か月後、疑いが晴れ釈放。シアトルから日本に強制送還されるも、船長だったシタラタキチは責任を感じ日本へ向かう途中自ら命を絶った』とパネルに書いてありました。合掌。

ロシアと日本を感じられるシトカですが、ここはやはりアラスカらしさも感じていただきましょう。

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お約束のトーテムポール。

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もう1本。

あと10本くらいトーテムポールの写真があるのですが、もう充分だよ…という心の声が聞こえた気がするので、新しいアラスカのテーマをご紹介します。

夕方に大介くんと待ち合わせて向かった場所です。

P8132923.jpg 
ふわっふわする場所です。

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看板見ただけでふわっふわ。

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中に入ってふわっふわ。

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値段見て我に返ります。

そうです、ここはアラスカの新テーマ

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地ビール工場♡

最近の言い方だとクラフトビール工場♡ですね。地でもクラフトでもどっちでもいいのですがビール工場の後には必ず♡が入ります。それだけはお忘れなく。

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おつまみはリスペクト鮭です。

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たまらんな!たまらんな!(大事なことなので2度言いました)

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棚の上に乗っている大きなボトルを持って帰りたいところですが、日本では“沢の水を汲む”という用途以外大きなボトルが活躍できる場がないので一番左の小さなショットグラスを買って帰りました。日本酒を飲むという用途があるので。

アラスカには地ビール工場がたくさんあるらしいので、これからはできるだけ行けたらいいな、行けるようにがんばろう、何がなんでも行くぞと思っています。

今度更新が止まったらスターウォーズのブルーレイセットを買ったんだなと思ってください。。
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目の前に熊が現れたらどうしますか?


ア ラ ス カ

名前を聞いただけで、ため息まじりで「いつか行きたいなぁ」と呟いてしまう場所。

手の届かない、自分の目では見ることのできない場所。

アラスカは私の憧れの場所でした。

私がアラスカを想像する時、そこにあるのは星野道夫さんが撮ったアラスカの世界でした。

どこからか突然現れるカリブーの大群、じゃれ合うシロクマ、クジラ漁に出掛けるエスキモーの人たち。私が生きてきた世界に存在しないものが生きている場所。

アラスカを追い、アラスカに触れ、アラスカに住み、アラスカを撮り続けた写真家・星野道夫さん。

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写真展を見に行き、その日の夜、“アラスカのことを書こう”と1年ぶりにブログを更新したのは2016年夏のおはなし。

没後20年の特別展でした。

20年前、TVの撮影で訪れていたロシアで星野さんが熊に襲われて亡くなったというニュースを今でも覚えているのは、私が当時もいい大人だったのと、あまりにも衝撃的だったからです。自然界の熊と何度も出会い、生態を知っていた星野さんが何故…。その後、襲ったのは人間に餌付けされていた熊だったと知り、悲しい納得をしました。

熊は基本的に襲ってくるものではない。
気をつけなければいけないのは、人間に慣れている熊と子供を連れている熊だ。
だから無駄に怖がってはいけない。

星野さんの著書にはこのような言葉が書かれていました。


アラスカには熊がいる。

そう分かっていても、それは自分の知らないアラスカの世界で、手の届かないものだと思っていた私が現実を教えられたのは地ビール屋で大介君と飲んでいた時でした。

「明日、山登って滝見に行こうと思うんですよ。それを宿のオーナーに相談したら、熊対策はしたのかって聞かれて。何も考えてなかったんですけどねぇ。“絶対しなきゃダメだ”って言うのでこの後、熊除けスプレーを買いに行ってきます。」

その話を聞いて急にリアルに感じたものの
「気をつけて。とにかく気をつけて。」
と言うことしかできず、
「気をつけなきゃいけないのは人間に慣れている熊と子連れの熊らしいよ。」
と付け加えたのは完全な受け売りですごめんなさい。

翌朝、山登りに出かける大介君に
「気をつけて。とにかく気をつけて。」
と無駄に怖がる心配症BBA。
大介君は数十ドルする決して安くはない熊除けスプレーをちゃんと買い、颯爽と出掛けていきました。


山があっても登らない私は、シトカで一番楽しみにしていたところに行きます。

それは、星野さんのトーテムポールを見に行く。

星野さんが“アラスカでもっとも美しい町”と語ったシトカに、アラスカを愛して亡くなった星野さんへ感謝を込めたトーテムポールが建っているのです。

星野さん+トーテムポール=憧れ
絶対行きたいと思っていた場所です。
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公営バスに乗って出発。土日はお休みなのでご注意。

町からバスで数十分離れた場所にある公園。
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この中にあるとガイドブックに書いてありました。

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公園を歩きながらトーテムポールを探します。

どこかな、どこかな。

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あれ、海に出ちゃった。

振り出しに戻る。
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どこかな、どこかな。

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あれ、海に出ちゃった。

というのを5回。

つまり1時間トーテムポール探して歩き回っています。

どういうことですか。

案内板がなく、人もいない。
ただ、公園はそんなに広くないし、道もたくさんあるわけじゃないので、迷いようもないのです。
だから、同じところをひたすら行ったり来たりしています、1時間。

そして5回目の巡回が終わったあと、これはもう私の目が節穴なのかトーテムポールがないかのどちらかだという結論に達しました。いや、私は自分を信じてやまないのでトーテムポールが何かの事情でなくなったのでしょう。もしくはこの公園じゃなかったという根本的な問題。

あぁ、あんなに楽しみにしていたのに見れないなんて…。


こうなったら鮭だ。
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海面に出ている背びれは全部鮭です。その中でぴょんぴょんと鮭が勢いよくジャンプしています。お見事だわと、腹這いで1時間撮り続けた写真がリスペクト鮭に載せた写真です。鮭に夢中。

こうして公園に到着して2時間。
鮭以外の成果が得られないまま、私は諦めの境地に達しました。
もうね、見つからないですトーテムポール。

悲しい…。

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と思ったら最後の最後でこの2時間で見たことのない道を発見…。

そうです、私の目は節穴だったのです。


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なぜ見つけられなかったのか。自分が信じられない。

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2時間動き回った疲れとやっとトーテムポールが見れるかもしれないという嬉しさで林道を進んでいくと、突然綺麗に整備された木道が現れました。

あぁやっぱりこの道で合ってたんだ。この先に星野さんのトーテムポールがあるんだと確信した瞬間。

































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え…?
















P8143243.jpg

















は?


















目の前に熊が現れました。







もう一度言います。








目の前に熊が現れました






人は目の前に熊が現れた時、それが熊だと認識するまで3秒かかります。

あれなんかいる(・∀・)?→ここ動物園あるんだっけ(・∀・)?→あれ(・∀・)?





ぎゃーーーーーー!!!!!!

これで3秒です。




そしてパニックになります。
死ぬんだ、死ぬんだ。
まさか熊に襲われて死ぬなんて考えもしなかった。


どうしよう、どうしよう。

痛いのいやだ。



恐怖で体が硬直して動けません。

どういたらいいんだ、どうするんだっけ。どうしようどうしようどうしよう。





その時、あの言葉がふっと降りてきました。


無駄に怖がってはいけない”

“無駄に怖がってはいけない”

“無駄に怖がってはいけない”


あぁ、そうだ。そうなんだ。


無駄に怖がってはいけない”

“無駄に怖がってはいけない”

“無駄に怖がってはいけない”


呪文のように自分に言い聞かせます。

どうやったら逃げられるか考えなきゃ。

走る→ダメって聞いたことがある。しかも100m20秒台。
木に登る→ダメって聞いたことがある。しかも登れない。
武器で闘う→お菓子しか持っていない。



あれ、ダメじゃん。

勝てっこないじゃん。





勝てっこない。
そう思ったら、不思議なことにスッと気持ちが落ち着きました。
人間がすべての動物に勝るわけでもなし、私が熊に負けるのは当然のこと。熊だってここにいてはいけない理由はないんだから、それも当然のこと。むしろ、私が熊の生きている場所にのこのこ入り込んでいるわけだから、死ぬべきは私だよなって。焦っても仕方ない。無駄に怖がっても仕方ない。そっか、仕方ないんだ。




よし、くまさんに命預けます。



と天性の諦めの早さで覚悟を決めたものの、やっぱり痛いのは嫌だし、ニュースになるのも嫌なので、できることなら傷つけられずにさよならしたい。

私がここから逃げられるとしたら、頭脳と心理戦ではないか。熊をしっかり観察して、どういう行動に出るのか冷静に判断すること。それが唯一できることかもしれない。

そう考え、木道のど真ん中に立ちはだかる熊から見えない位置に体をずらし、死角に隠れながら熊を見つめました。同時に「私は熊食べない。あなたも人間食べない。」と念を送っています。



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ぎゃん。動かないでー。


ものすごく長く思えた30秒後、私が感じたのは“この熊、襲う気ないな”でした。私と目が合ってもすぐに目を背けるし、興味を示さない。
大丈夫、逃げられる。

「私は今から逃げます。だから追ってこないでね。」と心の中で話しかけ、逃げる前に記念撮影…がこの写真たちです。もし、逃げている最中に襲われた時のためのダイイングメッセージです。一人でアラスカの公園で死んでいる私の最後の瞬間を、代わりに伝えてほしい。
ただ、冷静を装いつつ全然冷静じゃなかったのがばればれのピンボケ。手震えているからね。



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よし、ピント合ったので逃げます。

静かに、一歩づつ後ずさりし、少しづつ、少しづつ熊から離れていきます。

逃げたい。

逃げさせて。

お願い。

お願いします。

焦っちゃだめだと何度も言い聞かせ、少しづつ、少しづつ熊から遠ざかりました。

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そして熊の姿がすっかり見えなくなったところからは猛ダッシュ。100m20秒切っていたと思います。

全力疾走で公園の外のバス停まで戻って来た時、急に膝がガタガタ震え立っていられなくなりました。



怖かった。


ものすごく怖かった。



逃げきれたんだという安心感よりまだ近くにいるかもしれないという恐怖心で、震えが止まりませんでした。


バスに乗って町に戻り、観光を続けても心ここに在らず。
夕方、宿に戻ると大介君も山から帰ってきました。結局、山に行った大介君は熊に遭わず、公園に行った私が熊に遭うという予想外の展開。本当はちゃんと予想するべきでした。反省。

DSC_7304.jpg
弱っている時は日本食、そしてビール。と話を聞いてくれる人。
おかげでダメージ回復です。

翌日、星野さんのトーテムポールを見に行くという大介君に付いていき、2日連続公園へ。
大介君の手には熊除けスプレー、私の手には唐辛子スプレー(防犯用に買ったのに携帯していなかった意味ないやつ)がしっかり握られています。

P8153343.jpg 
昨日、熊に出会った道に入ると足が震えます。
お願い、出てこないでね。

熊が立ちはだかっていない木道を先に進むと、海に出ました。

P8153362.jpg
昨日は見られなかった光景。

あ、あった。

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星野道夫さんのトーテムポール。
たどり着くまで長かった。でも見れたよ。

一番下はカメラを持った人。
P8153380.jpg 

P8153360.jpg
そして上部には小さく星野さんの顔が描かれています。

P8153361.jpg
そっくり。

P8153374.jpg
日の丸も描かれていました。
海に向かって建つこのトーテムポールは日本を向いているんですって。しんみり。

こうして無事にトーテムポールを見ることができました。
散々迷ったこの道ですが、実は公園の中ではなく幹線道路から海に降りてそのまま海沿いを歩いた方が分かりやすいです。そして熊にも遭いにくいと思います。
P8153383.jpg 
トーテムポールを背に左にずっと歩いていくと幹線道路に出れます。右側は大きな岩礁があるので先に進めません。


アラスカには熊がいる。

身をもって知ったシトカでの出来事でした。

森のくまさんを明るく歌えなくなりました。

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